なぜペイトリオッツはかくも強いのか(前編)

ペイトリオオッツロゴ
(NFL JAPANからお借りしました)

アメフトの話です。NFLにニューイングランド・ペイトリオッツというチームがあります。トップの画像は、そのチームのロゴです。
このペイトリオッツ、2000年以降、17年間で地区優勝14回、スーパーボウル出場7回、うちスーパーボウル制覇5回という、驚異的な強さを誇るチームです。

ご存じない方のために、簡単にNFLの仕組みを説明しますと、アメリカのプロフットボールリーグであるNFLは、全32チームあり、アメリカンフットボールカンファレンス(AFC)とナショナルフットボールカンファレンス(NFC)の2つのカンファレンスに16チームずつ分かれています。それぞれのカンファレンスは、更に4つのディビジョン(地区)4チームずつに分かれており、レギュラーシーズン16試合戦い、ディビジョンの中で最も勝率が高いチームが地区優勝し、プレイオフ出場権を得ます。プレイオフには、地区優勝したチームの他に、勝率が高かった2チームもワイルドカードで出場でき、AFC、NFCそれぞれ6チームずつでプレイオフを戦います。プレイオフは、AFC、NFCに分かれたトーナメント制となっていて、地区優勝したチームのうち、レギュラーシーズンの勝率が高かったチームからシードとなっています。そして、そのトーナメントを勝ち上がるとスーパーボウルに出場でき、AFC、NFCのチャンピオン同士が優勝決定戦をする、という仕組みです。

2016プレーオフトーナメント表
(NFL JAPANからお借りしました)

活字にすると分かりにくいですかね。例えば、去年のプレーオフで説明すると、左側がAFC、右側がNFCのトーナメントです。AFCでいうと、ペイトリオッツとチーフスがシードを獲得しています。去年は、レイダースとドルフィンズがワイルドカードでした。この表に書かれている後は、AFCではペイトリオッツ、NFCではファルコンズがそれぞれチャンピオンとなり、スーパーボウルに出場しました。そして、ペイトリオッツが劇的な逆転勝利を収め、5度目のスーパーボウル制覇を成し遂げました。

17年間で7回スーパーボウルに出場し、5回スーパーボウルを制覇するということがいかに凄いことかは、NFLで採用されているサラリーキャップ制度とドラフト制度を抜きには語れません。サラリーキャップ制度というのは、NFLでは、全チーム、サラリーつまり給料の総額を同じにしなければならないとされているのです。日本のプロ野球のように、豊富な資金力のある球団がお金にものを言わせた補強をする、というようなことができない仕組みになっているのです。ドラフト制度も、前年度の成績が悪かったチームから高順位のドラフト権があり、これも日本のプロ野球のように全チーム平等にくじ引きで決める、というようになっていません。

つまり、スター選手や有望な新人ばかり集めてドリームチームを作る、ということは制度上できないのです。
それにもかかわらず、ペイトリオッツが、なぜかくも強いのか。

私なりの分析は次回に続く。