言葉選び

なぜ手に取ろうと思ったのか、今では思い出せない。

Facebookで、共同通信社の宍戸博昭さんが紹介しておられるのを見て
読んでみようと思ったのだが、一体どういったところに興味をそそられたのだったか。

岡康道さんの「広告と超私的スポーツ噺」というエッセイのことである。

岡康道さんとは、クリエイティブ・ディレクター、CMプランナーで
電通から独立して日本初のクリエイティブエージェンシーを立ち上げた方で
(クリエイティブ・ディレクターとかクリエイティブエージェンシーって何かあまりよく分かっていないが...)
ドラマ「恋ノチカラ」の堤真一さんのモデルになったのは有名な話らしい。
僕が知ったのは、本を読んだ後、岡さんについて調べてであったが。

岡さんは、早稲田大学でアメフトをしていたこともあり
エッセイの中に、日大OBで現在もアメフトの解説をしている宍戸さんが登場する。

岡さんは、とにかくスポーツをこよなく愛しておられ
本の中では、オリンピックや野球やアメフトや、様々なスポーツに触れながら
広告業界のことが語られている。

最近、ビジネス書か法律書ばかり読んでいたから、忘れてしまっていたが
岡さんが使われる一つ一つの言葉の、何と丁寧に推敲されていることか。
日本語の文章って、人に伝えるって、こういうことやったわ、と改めて思い知らされた。

岡さんは、2020年7月31日、ご病気で逝去されている。まだ63歳だった。

岡さんの高校、大学の同級生に小田嶋隆さんというコラムニストがおられる。

僕は、小田嶋さんを、そうとは知らず、以前からTwitterをフォローしていた。
ツイートされる内容が共感できるものだったからである。

岡さんについて調べる中で、小田嶋さんに行き着き
「ん?『小田嶋隆』って何か見覚えある名前やぞ?」と気付き、Twitterをフォローしていることに
改めて気付いたという次第である。

岡さんも小田嶋さんも、何冊も書籍を出しておられるし、ご存じの方も多いだろうから
無知とは恐ろしいものである。もっと世の中のことを知らなあかんなあ、と反省した。

小田嶋さんも、今年2022年6月24日、ご病気で逝去されている。まだ65歳だった。

僕は今まで小田嶋さんのコラムも読んだことがなかったので、遺稿集である
「コラムの向こう側」を購入し、読み始めたところである。

プロのコラムニストであるから当然といえば当然なのかもしれないが
小田嶋さんの文章は、岡さんに増して、言葉選びが繊細である。
それでいて、圧倒されるような説得力がある。

お二人の本を読みながら、文章を書くということについて、言葉の選び方について
まだまだ成長していかなあかん、と思わされた。

という、まだまだ言葉選びも構成も練れていないコラムでした。

「広告と超私的スポーツ噺」「小田嶋隆のコラムの向こう側」



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