G.O.A.T.引退

NFLのスーパースター、トム・ブレイディ(トーマス・エドワード・パトリック・ブレイディJr.)が
去る2月1日(現地時間)、ついに引退を表明した。

引退を表明したトム・ブレイディ
【AP Photo/Jason Behnken】

何度か触れたことがあるが、ブレイディと僕は同い年(44歳)で
誕生日は8日しか離れていない。

30代前半で引退する選手も多いNFLの世界で
20年以上にわたり超一流のパフォーマンスを継続してきていた。

2021年シーズンにしても、パス獲得ヤード数、パスタッチダウン数、パス成功数で
NFLのQBトップの成績だった。
今シーズンのMVPを獲ってもおかしくないくらいの結果を残していた。

ブレイディは、以前から、45歳までプレーしたいと話していたから
あと1年はプレーするのだろうと漠然と思っていたところの、引退の報道だった。

ブレイディが一躍スターダムに駆け上がったのは2001年のことだった。
(この年、僕は大学5回生コーチをしながら司法試験の勉強(と大学の単位取り)をしていた。)

当時、僕は、苦労人のQBカート・ワーナーが率いる
セントルイス(現ロサンゼルス)・ラムズが好きで、応援していた。
RBマーシャル・フォークやWRアイザック・ブルース、トリー・ホルト
といった役者が揃い、爆発的な得点力を武器にしていた。

そのラムズと、ブレイディのペイトリオッツが
スーパーボウルで対戦することになったのだ。

当然、僕はラムズを応援していた。
しかし結果は、ブレイディが率いるペイトリオッツがスーパーボウル制覇した。

奇しくも、この2001年は、アメリカ同時多発テロが起こった年であり
その年にペイトリオッツ(「愛国者たち」)が勝つというのは
何だか出来すぎではないか、などと思ったものである。

しかし、ブレイディ、そしてペイトリオッツの強さは、この年にとどまらず
その後、20年間でスーパーボウル制覇が6回、プレーオフには17回出場し
この年がまぐれなどではなかったことを証明し続けたのである。

ペイトリオッツのことは、このブログでも何度となく書いてきたが
僕がアメフトを引退してからのアメフト人生は、ブレイディと共にあった
と言っても過言ではない。

そのブレイディが引退する。
今までのNFLとの間に、一線が引かれた思いだ。
ブレイディに代わり、また、新たな伝説を作るQBが現れてくるのだろうか。
それを見たいような、見たくないような。

当のブレイディは、引退を正式に表明後、半年後にはまた違う気持ちになっているかもしれない
などと、復帰を仄めかす発言をしたという。

それを楽しみにしたいような、したくないような。



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