バイカルアザラシ

皆さんは、バイカルアザラシを知っているだろうか。

バイカルアザラシ
滋賀県立琵琶湖博物館にいるバイカルアザラシ

このバイカルアザラシ、調べてみると、非常におもしろい。
というか、謎が多い。



まず、世界で唯一、淡水のみに生息しているアザラシである。

北極海から河川をのぼってバイカル湖まできたアザラシが
その後、陸封されたためバイカル湖に残り、独自の進化を遂げたのではないか
と言われているが、確かなことは分かっていない。

何より、淡水のみに生息しているアザラシが他にいてもよさそうなものなのに
なぜバイカルアザラシだけなのか、不思議である。



そして、バイカルアザラシは、バイカル湖の生態系の頂点にいる。
つまり、天敵がいないのであるが
最近になって
推定体長2センチ、重さ0.1グラムの微少な浮遊性ヨコエビを1匹ずつ
1日に数千匹も食べていることが分かった。
国立極地研究所より

従来考えられていたとおり、魚も補食しているということなので
天敵もいないのだから、魚ばっかり食べておればよさそうなものなのに
なぜほとんどお腹もふくれなさそうなヨコエビを、しかも1匹ずつ食べるのか。
1日に数千匹も食べるのだから
やはり、1匹ではまったく空腹が満たされていないはずである。
恐ろしく効率が悪そうである。

上にリンクをはった国立極地研究所によれば
食物連鎖が短くなるほど、生態系のエネルギー効率がよくなり
より多くの捕食動物が生きていけるため
バイカルアザラシが繁栄していることの一つの理由であると解説されている。

しかし、バイカルアザラシがそんなことを考えて
つまり、「ヨコエビ食べることで、生態系のエネルギー効率をよくするぞ」
などと考えてヨコエビを食べているとは到底思えない。

よっぽど味が好みなんやろか。
何か食感がクセになるとかなんやろか。
謎である。



以上のような謎を解明すべく、今後も、調査を続けたいと思う。



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