「死ぬんじゃねーぞ!!」 ー 読書日記 ー

なかなかに強烈なタイトルですが
タレントの中川翔子さんが書かれた本です。

「死ぬんじゃねーぞ!!」

中川翔子さんは、ご自身が学生時代にいじめられて不登校になったことを公表しておられます。

その経験を踏まえ
いじめを受けている人、いじめている人、学校の先生や親などの大人
に向けたメッセージが書かれています。

本の中では
LINEなどのツールを通じて、今の子どもたちが、24時間365日逃げ場がない状況に追い込まれていることが書かれています。
LINEが送られてきて、それが深夜の3時だったとしても、即返信しなければ、いじめの標的となる可能性がある。
家が息を抜ける場ではない。

恐ろしいことです。



昨年度まで「大津の子どもたちをいじめから守る委員会」(通称「守る委員会」)
の委員を務め、今の小学校、中学校の状況をある程度把握しながら
ずっと考えてきたことがあります。



ーどうすれば、子どもたちを守れるのかー



僕は、「いじめ」を根絶することは不可能に近いと思っています。

すべての人間が自己肯定感を持ち、十分に幸福感を得られて生活することができる世の中であれば
「いじめ」はなくなるのかもしれません。

しかし、そのような世の中が訪れることを期待するには
あまりにお粗末な政治情勢です。
国民から税金を巻き上げ、法人税は引き下げ、社会福祉もどんどん減退させていき
持てる者と持たざる者との格差を、構造的に決定的なものとしようとしていっています。



「いじめ」は、他者を否定することで間接的に自己肯定感を得ようとする心理から生まれる
というのが僕の考えです。

この心理が生じないようにならない限り、「いじめ」はなくならないと考えています。



ですので、今、できることは
「いじめ」が起きたときに、いかに子どもたちを守ってあげるのか

ということなのだと思います。



現在の小学校、中学校の状況は、先生たちの負担があまりに重すぎ
すべての子どもたちに目を配り、個性を十分に尊重して接する
ということが極めて困難な状況です。

これは、行政に責任があります。

もちろん、先生の個の問題として、適正が疑われるような方も中にはおられるでしょうが
(我々の業界とて人ごとではありません)
子どもたちに十分関わりたいと思っている熱意ある先生がいても
それをしている時間的余裕がない、というのが、今の状況だと思います。




ですので、親の立場からすると、「学校がちゃんとやってくれないと」
と言いたくなると思いますが、そのようなことを言っていて我が子が守れるのか
という、ある種、差し迫った状況にまで至っているのだ
と考える必要があります。

学校の先生方にも、当然、子どもたちを守るために力を尽くしていただきたい
と思いつつ
親や子どもの身近な大人たち(弁護士も)も、子どもを守るためにはどうすればよいのか

考え続ける必要があります。