不合理だらけの日本スポーツ界 - 読書日記 -

不合理だらけの日本スポーツ界

スタンフォード大学のアメリカンフットボールチームで、オフェンシブ・アシスタントをされている河田剛氏の本です。

河田剛氏といえば、日本でアメリカンフットボールをしていた者で知らない者はいないのではないかと思います。
選手としても、リクルートシーガルズ(現オービックシーガルズ)で活躍して日本一にもなっておられ、日本代表メンバーにもなっていることに加え、スタンフォード大学という名門のアメリカンフットボールチームで、唯一の日本人コーチを現在も続けておられます。

僕は、アメリカのカレッジフットボールをじっくり観戦したことはありませんが、日本のそれとは天と地ほどの開きがある人気スポーツで、毎年NFLに何百人もの選手を輩出している非常にハイレベルなアメリカンフットボールが行われている、ということは知っています。
そこにコーチとして飛び込んでいった、河田氏が、アメリカのカレッジフットボールをどう見ていて、日本と比較してどう感じているのかということは、ずっと気になっていたことでした。

そうしていたところ、河田氏が、以前も書かせてもらった、僕の大学アメフト部の先輩で、現在、プロバスケットボールチーム滋賀レイクスターズ代表取締役をしている西村大介さんと対談している記事をレイクスターズが定期刊行している雑誌で読みました。
大介さんは、レイクスターズに入って様々な変革を行っていっておられますが、その中の一つに「レイクスターズシーズンスポーツスクール」というものがあります。今年の4月から小学生を対象として開校し、バスケットボール、陸上、レスリングなど複数のスポーツに季節ごとに取り組むというものです。
河田氏は、僕が読んだレイクスターズの雑誌での対談でもその点について述べておられ、この本も紹介されていたため、早速購入したのでした。

ちなみに、河田氏と大介さんの対談内容は、ウェブ上でも見ることができます。

「グローバル化が進んだ現代社会、特にビジネスの世界では、社会の制度がどんどんと先進国水準に近づいている。
言葉を変えて言うなら、個人の権利や時間を尊重する方向にシフトしているという表現が正しいだろう。世界のマーケットで勝負するために、グローバル人材の採用や、それに伴う人事制度の変革を迫られるわけであるから、当然と言えば当然である。
しかし、スポーツはどうだろう?日本人メジャーリーガーや世界で活躍するサッカー選手の登場、オリンピック開催と、グローバル化をすぐそこに、いや、もうとっくに始まっている。世界と闘うために、個人尊重へのシフトは、とっくに終わっていなければならない。なのに、いつまで経っても、『チームのために』『みんなのために』『監督への恩返し』といったフレーズが出てくる。口にしていなくても、外からはそう見える。
『スポーツ・ガラパゴス化』である。」

「チームスポーツであれば、チームのために尽くすのはあたり前である。私が言っているのは、程度の問題である。選手としての、また人間としての、個人としての将来を犠牲にしてまでチームに尽くすことは、求められていないし、求めてもいけない。これは、世界中のどこでもだ。
若い選手が、若いがゆえに、一緒に頑張ってきた仲間を思うがゆえに、無理を承知で『俺に/私に、やらせてくれ!』と言い出すのは、水戸黄門の放送終了5分前に何が起こるかのように明らかである。それを止めるのが指導者であり、制度であり、ルールであるはずだ。これをなんとかしないことには、日本のスポーツに明るい未来はこないと断言できる。」

僕自身、「スポーツ・ガラパゴス化」で取り残された一人であると認めざるを得ません。
日本のスポーツ界、特に、大学スポーツ界の変革について、これからも頭を働かせ続けたいと思いました。