NFLドラフト -光と影-
NFLのドラフトが今まさに行われているところです。
今年、1巡目の1位指名(全体1位指名)を受けたのは
AP Photo/Mark Humphrey
2018年、ハイズマントロフィー(全米大学MVP)を受賞したオクラホマ大学のカイラー・マレーでした。
昨年クリーブランド・ブラウンズからドラフト全体1位指名を受けたベイカー・メイフィールドもオクラホマ大学ということで、何だかすごい大学ですね。
個人的には、カイラー・マレーが行くこととなるアリゾナ・カーディナルスには、大好きなWR(ワイドレシーバー)ラリー・フィッツジェラルドがいるので、どんなオフェンスを展開していってくれるのか楽しみになりました。
毎年、NFLドラフトで指名を受け、多くの選手がNFLに入ってきますが、その中で生き残っていけるのは一部の選手だけです。
全体1位指名の選手ですら、ほとんど活躍することなくフィールドを去って行く者もいます。
NFLで活躍できたとして、長くそれを続けられる選手もまた、一握りです。
今年も、華やかなドラフトの裏側で、引退を表明した選手がいます。
AP Photo/Ross D. Franklin
写真のクリス・ジョンソンもその一人です。
通常、シーズン16試合で1000ヤード走ればすごいとされますが、2年目のシーズンである2009年には、2000ヤード以上走り、名前の頭文字と合わせて「CJ2K」と呼ばれるなど、一世を風靡したスター選手でした。
しかし、最初の6シーズン所属したテネシー・タイタンズからニューヨーク・ジェッツに移籍して以降は、目立った活躍をすることなく、このほど引退を表明しました。
クリス・ジョンソンも、ドラフト1巡目(全体24位)指名された選手でした。
スピード感溢れるランニングスタイルは、観ていて爽快でしたが、RB(ランニングバック)というポジションで長く活躍することは難しいと思わざるを得ません。
もう一人
AP Photo/Matt Dunham
マショーン・リンチもヘルメットを脱ぐことを表明しました。
マショーン・リンチは、最初にバッファロー・ビルズにドラフト1巡目(全体12位)で入り、「ビースト・モード」と呼ばれるディフェンス選手を跳ね飛ばし、何人タックルしてきても倒れない走りで活躍しました。
5年目の2010年シアトル・シーホークスに移籍し、2013年にスーパーボウル制覇に貢献、2014年に2年連続でスーパーボウルに進出する原動力となるも、この年はニューイングランド・ペイトリオッツに敗れました。
この試合では、試合の終盤、シーホークスがゴールラインまで迫った場面で、QB(クォーター・バック)ラッセル・ウィルソンが放ったパスをペイトリオッツのCB(コーナーバック)マルコム・バトラーがインターセプトし、試合を決めました。
そのパスまで、ペイトリオッツは、マショーン・リンチのランにずるずると進まれていて、パスではなく、リンチのランにすれば絶対タッチダウンになっていたはず、という議論が試合後に飛び交いました。
リンチは、2015年シーズン後にいったん引退表明したものの、2017年にオークランド・レイダースで復帰しましたが、かつてのような走りを取り戻すことなく、引退となりました。
こうして、NFLのドラフトには光と影があるのですが、一人でも多くの選手が、長く光を浴び続けて欲しいなと願うばかりです。