証拠がものをいう

そろそろ師走の足音が聞こえてきそうです。

さて,裁判手続きというのは,当事者双方が各々の言い分を出し合い(主張),その主張を裏付ける証拠を出し合うことで成り立っています。

どれだけまっとうな主張をしても,それを裏付ける証拠がなければ,敗訴してしまいます。
その意味では,裁判は証拠がものをいいます。

例えば,XさんがYさんにお金を貸したとして,それを返せというためには
「金銭の授受」と「返還約束」を裏付ける証拠が必要です。

通常は,「金銭消費貸借契約書」や「借用書」という表題の書面が作成されるため,それが直接的な証拠となりますが,それがないからといって
まったく証拠がない,ということではありません。
Xさんの証言も,一つの証拠になります。

もっとも,人が話すことには,認識,記憶,表現の各過程で不正確さが伴いますので,裁判所は,証拠として書面を重視する傾向にあります。

日常で生活していて,後々トラブルになると考えて行動することは,人を疑ってばかりいるようで,あまり気持ちのよいものではありませんが,何かあったときに,書面がないことで裁判所に主張が認められず,泣き寝入りしなければならなくなる,ということをできるだけ避けるために,証拠として書面を残しておくことがとても重要です。

どのような書面が必要かは,場面によって異なりますので,弁護士のアドヴァイスを受けていただくのがよいと思います。