スポーツの中にある武士道に美しさを見る(前編)

ウォルター・ペイトンという元NFL選手をご存じであろうか。

ウォルター・ペイトン
画像はESPN CHICAGO HALL OF FAMEより

1975年から1987年までシカゴ・ベアーズというチームで活躍したRB(ランニングバック)で、その滑らかな走りから”SWEETNESS”(スウィートネス)と呼ばれた選手です。現在は塗り替えられている記録も多いですが、通算ラッシングヤード(ランプレーで走った総合計ヤード数)、通算ラッシングタッチダウン(ランプレーでタッチダウンした数)などの数々のNFL記録を樹立したスーパープレーヤーでした。
残念ながら、私がアメフトに興味を持つ前に引退してしまっており、生でそのプレーを観たことはありません。そして、ペイトンは、病気のため、1999年に45歳の若さで亡くなりました。



なぜ、「スポーツの中にある武士道に美しさを見る」というタイトルで、突如ウォルター・ペイトンの話をしたかには当然理由があります。

私が大学時代に読んだ雑誌に、ペイトンは、タッチダウンを取っても派手なパフォーマンス(タッチダウン・セレブレーションと言います)をしなかった。その理由は、「戦っている相手に対して失礼だからと考えていたからだ」、と記載されていたと記憶しています。
私は、大学時代にペイトンと同じ34番を付けていたことも手伝って、「あの自己アピール力の凄いアメリカで(※当時の私の印象です)、こんな日本的な武士道精神のような考え方の選手がいたのか!」と衝撃を受けました。
NFLでは、タッチダウン・セレブレーションは名物のようなもので、多くのファンが試合中に楽しみにしていることの一つであると思います。それにもかかわらず、です。




思えば、NFLだけではなく、スポーツの世界において、派手なガッツポーズやパフォーマンスは、「それありき」で構成されていて、タッチダウン・セレブレーションと同じように、試合中にそれを楽しみにしているファンもたくさんいることでしょう。




しかし、それは美しくないのではないか、というのが、今の私の考えです。

後編に続きます。

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