クリスマスの時期になると思い出す

私には、クリスマスの時期になると思い出す出来事があります。

話は大学時代まで遡ります。
私は、大学1回生と2回生の時に1度ずつ、合計2度、左の鎖骨を骨折し、手術を3回受けました。

最初の手術は、1度目の骨折の時で全身麻酔でした。全身麻酔で手術を受けたのはこの時が初めてで、麻酔から覚めた時になんとも表現できない体のしんどさがあり、もう全身麻酔は嫌だと思いました。
2回目の手術は、2度目の骨折をした時でした。最初の手術では、折れた鎖骨に針金のような金具を通して固定していたのですが、2度目の骨折によりその金具を取り出さなければならなくなり、そのための手術でした。この手術は局部麻酔でした。

そして3回目の手術です。これが、クリスマスの時期になると思い出す出来事です。
3回目の手術も、2回目同様、局部麻酔でした。手術そのものは、折れた鎖骨の接合部分をプレートで補強し、プレートを釘のようなもので鎖骨に打ち付けるものでした。ちなみにこのプレート、早く取ろうと思いながら、もう20年取らずに一緒にいます。
皆さんは、局部麻酔で手術を受けられたことがありますか?受けられた方はご存じだと思いますが、痛みはないのですが、感覚はあります。ですので、この時も、ガンガンガンガン鎖骨に釘を打ち付けられている感覚はありました。意識もあるのですが、この時、私は、何だか眠いような感じがしてきて、でも眠たいわけではなく、お医者さんや看護師さんからの問いかけに答えるのが億劫になってきました。それで、問いかけられても、そのうち応答することをやめました。ですので、お医者さんも看護師さんも私が眠ったと思ったのだろうと思います。
そうすると、しばらくして、お医者さんも看護師さんも、手術とは関係のない雑談のような話ばかりするようになりました。そして、問題の出来事が起きたのです。看護師の一人が、「ねえ、早く終わらせて帰ろうよう」と言ったのです。それに対して周りの者は何とも応答しませんでしたが、私は聞き逃していませんでした。「おいおい。局部麻酔やぞ。俺聞いてんぞ」と思いましたが、手術中ですし、何か言って手術に差し障りがあっても嫌なので、私もそのままスルーしました。

そう、この3回目の手術が、クリスマスの日だったのです。

というわけで、クリスマスの時期になると、この出来事が何だか頭に浮かんできます。
そして、人と関わる仕事についた今、あの看護師は何てプロ根性がない人だったのかと思うと同時に、自分はちゃんとプロの仕事が出来ているか?と顧みるきっかけとなっています。



今年も残すところあと一週間となりました。最後の最後まで、プロとしてあり続けたいと思っています。

メリークリスマス、という写真です