アメフト ルール解説 ~その③「パント」-引き際も肝心だ編~

またもや、随分空いてしまいました。

前回は、「4回以内に10ヤード以上進む」ということについて書きました。
では、実際の試合で、4回攻撃をして10ヤード以上進めなければ相手に攻撃権を渡す、ということを繰り返しているかというと、そうではありません。

では、実際はどうしているかというと、3回攻撃をして10ヤード以上進めなければ、4回目は、ボールを蹴って(「パント」と言います)、できるだけ相手陣(エンドゾーン)近くまでボールを戻そうとします。

「?????」という感じですよね。

また図で見てみましょう。

450px-American_Football_field_-_ja

Aチームが攻撃権を持っているとして、上の図のように、ボールがAチームのエンドゾーン近く、15ヤード付近にあったとします。
その際、Aチームが、4回目も攻撃して10ヤード以上進めなかったとしたら、この位置で、Bチームに攻撃権を渡すことになります。そうすると、Bチームは、あと15ヤード進めばタッチダウンが取れることになります。
これでは、Aチームは、ものすごく不利な戦いとなります。
そこで、Aチームは、3回攻撃をして10ヤード以上進めなければ、下の図のようにボールを蹴って、ボールをできるだけBチームエンドゾーン近くまで戻そうとするのです。
アメフトでは、ボールを蹴ることは、攻撃権を放棄することを意味します。

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この図のように、Aチームが、Bチームのエンドゾーン前10ヤードのところまで戻すことができれば、Bチームは、そこから90ヤード進まなければならなくなります。

このように、アメフトは、ただ同じように攻撃を続けていくのではなく、与えられた権利の1回を放棄して、パントを蹴ることで点をできるだけ取られないようにするのです。

次回は、ポジションについて見ていきたいと思います。