良い裁判官と悪い裁判官

2014年版弁護士白書によると,裁判官(簡易裁判所判事を除く)の数は2944人,弁護士の数は35045人です。

弁護士は裁判官に比べ,10倍以上いることになります。

そんな弁護士には,優秀な人もいればそうでない人もいて,話の通じる人もいれば通じない人もいます。
ひとくくりに弁護士と言っても,いろいろな人がいるわけなのですが,裁判官にもいろいろな人がいます。

良い裁判官とは,記録をよく読み,当事者の主張を正確に理解し,事案の本質が何かを見抜き,その事件に本来求められる解決(判決のこともあれば和解のこともあります)をすることができる人,と言えると思います。

反対に,悪い裁判官とは,上記の良い裁判官の持つ能力を一つでも欠く人です。
そういう悪い裁判官が担当となると,事件は,本来あるべき解決とは違う解決となってしまう可能性が非常に高くなります。
そして,恐ろしいのは,そういう悪い裁判官の方が圧倒的に多いということです。

ですので,紛争が起きて裁判になるということは,極めてリスクが高いことなのです。

弁護士をしていて,裁判で真実が明らかにならない場合がある,と言わなければならないことはとても残念なのですが,それが今の日本の司法の現状です。

もちろん,ひとたび裁判が起きてしまえば,依頼者の最大限の利益を実現するよう最大限の努力をするわけですが,裁判のリスクとコストを考えた場合,いかに紛争が起こらないようにするか,そのためのアドヴァイスをする,ということこそが,弁護士の役割として重要であるといえるでしょう。